投稿日:2020/3/30 23:24, 閲覧 93
今日、日本でみられる蜜蜂は本題の日本みつばちとは別に黄色味の強いイタリアン系の西洋ミツバチが居ます。
イタリアン種の原産地はその学名にもあるとおりイタリアのリギュリア州で、この蜂種がアメリカをはじめ全世界で養蜂に用いられています。同じヨーロッパミツバチの中にはこのイタリアン種とアルプス山脈で隔てられたユーゴスラビアやスロヴェニアに近年日本にも輸入されている黒い系統のカーニオラン種や南ロシアのコーカシアン種、ヨーロッパ全域的に原学名のメリフェラ種ほかアフリカ大陸に棲息するアダンソニ、スクテラータ、この2種はブラジルから南北アメリカ拡散した殺人蜂(キラービー)としてアフリカ蜂化ミツバチに関係して出てくる蜂種ですが、このほか無精卵から雌蜂を生じるケープミツバチなど20数種の亜種があります。
昭和の頃は家畜としての西洋ミツバチが広く飼育され繁栄していました。このことによって山間地域に追いやられた感のあった日本みつばちですが、平成に入り養蜂業が廃れ西洋ミツバチが減少してきたのと引き換えに本来の棲息地である平地にその勢力を回復しこのところよく目にする機会が増えた日本みつばちには西洋ミツバチと大きく違う点があります。
それは、雄蜂の幼虫が繭をつくるとき、蓋の中央に小穴を開けることで、この蓋は蛹から羽化して六角形の巣房を出るときにパカッと開き剥がれ落ちます。
それから、働き蜂の蜂体色は黒褐色で、西洋ミツバチと比較すると一回り小さく、腹部第3~6節にシャープな印象を与える白色の毛条があり一見横縞にみえ、西洋ミツバチのフサフサ感とは異なり、見慣れれば徹底的な違いである後ろ翅支脈の違いを比較するまでもなく判別することが出来ます。
伝統的飼育法である丸洞巣箱や角洞巣箱、それに飼育し易く工夫された重箱式巣箱ではその生活の様子を垣間見ることは出来ませんが、画像の様な巣脾枠で飼育管理すると取扱いに便利で生活の様子が観察出来ます。
また、日本みつばちには西洋ミツバチには見られない季節による体色の変化があり、夏型では黄色系、冬型では黒色系になる傾向があり、地域によって変化があると報告されていて、ミツバチ科学1987年
Vol8 No.3 P113-114 によると熊本、長崎、岩手は黄色系で山梨、愛媛は黒色系との記述があり、日本みつばちでは蛹期における温度がその体色の変化に影響している(基記事は玉川大学1989 鶴田智子さんの修士論文pp85)ことが分かっています。
ハッチ@宮崎
宮崎県
昭和59年10月4日、人家の壁内に営巣していた日本みつばち群をラングストロス(巣枠入り)巣箱に収容して以来、飼育を継続しています。翌昭和60年の春からは生態比較...