投稿日:2023/1/8 22:05, 閲覧 739
ニホンミツバチの飼育を始めて3回目の越冬シーズンが過ぎようとしています。
初年度は単群飼育で越冬し、次年度は4月に3群となりうち1群は逃居、残り2群はアカリンダニにより共に消滅。
蜂場は1.2㎞離れた2か所でそれぞれ1群ずつの飼育。単群を2か所と言う状況でした。
消滅してしまったもののどちらの群れも豊富なハチミツを残してくれ恵みを得る事ができました。
そして今年度は仲間も増え自身は前年と同じ蜂場2か所で2群と4群、町内で離散的に4人が1、2群飼育している状況でした。ほぼ全ての巣箱を(不)定期的に観察していますが、必然的にいろいろな飼育場を良く見る機会が増え蜂群の置かれている状況を良く見るようになりました。
Googleマップの衛星写真でも森の状況を良く見るようになりましたが、どの蜂場も森の真っただ中にある訳ではなく、例えば私の二つの蜂場はミツバチの行動半径と呼ばれる2㎞以内の半分程度は土地改良区による大規模に整地された畑があり蜜源豊富と言える状態ではないように思います。
更に、土地改良区の真ん中に強制捕獲群を移入し飼育を始めた友人の群れは夏前までに巣が十分な大きさにならず2段のまま、やがてオオスズメバチ飛来から盗蜂により結局のところ全滅してしまいました。畑の周りの畔に雑草の花は咲くものの、巣箱の周りの9割近くが畑で玉ねぎやキャベツ・ブロッコリーなど大規模に栽培されているド真ん中です。隆盛しなかった理由はほかにもあると思いますが、このような場所は飼育場としては適さない、これは本当にそうだろうなと感じました。
9月の採蜜状況は梅雨明けが早かったためか夏の蜜枯れ期間が長く、全く採蜜できなかった群れが1群、多くの群が採蜜するには心苦しい量となっていました。それでも夏前までに隆盛した群れは秋以降更に大きな巣となりました。
そして冬となり、4群飼育の蜂場だけが盗蜂と思われる死蜂が多めに出る日が時折りみられるようになりました。これはアカリンダニのように徘徊蜂がある訳ではなく蜂たちが良く飛ぶ暖かい日に限って盗蜂とみられる飛び方の蜂が飛来するのを目撃しています。幸いにも自群強しで追い返して今の所気にするほどの被害では無い状況となっているようです。
1,2群飼育の他の蜂場には今の所盗蜂と思われる状況は皆無です。
感覚として思う所は、4群飼育の蜂場は今の(今年の)蜜源量に対して少し多いというかギリギリなのではないかと感じるところです。本来であれば風雨・オオスズメバチにより消滅する群れが飼育群であればある程度保護されることで森にいる野良ミツバチの蜜源を脅かしているように感じるようになりました。飼育群が多く生き延びていけば巣箱・巣門の工夫で鉄壁のディフェンスにより盗蜂から守ればそのしわ寄せが自然の野良ミツバチへ向けられます。これが良いか悪いかは別として、自分が飼育しているミツバチ達だけがミツバチではないのでなるべく自身のエゴを押し付けることなく自然の野良ミツバチも平等に生存してくれたらいいなーと感じる事が多くなりました。
当地で冬に盗蜂が発生しやすい状況については少し疑問があります。付近には枇杷の花が咲くところが多くあり冬でも巣板が良く伸びます。しかしながら盗蜂が起こっているというのは冬は蜂が出かける距離が短くなっている、遠くに出かけたくないから近くの巣箱に侵入するのでは?という事が示唆されているようにも感じます。
いろいろと分からないことがまだまだありますが4年目に突入しつつある中で、自身の巣箱の目の前の事象だけにとらわれていては「木を見て森を見ず」これは痛感するようになりました。
経験豊富な先輩方がいらっしゃる中で恥ずかしながら、今は「木(巣箱)を見て森(野良群)を感じる」そういう事を考える事ができればいいなぁーと思うようになりました。
蜜源となる木を植える事も並行して進めていますが、木から花が咲き蜜となるのはずっと先ですし、森の木は数百数千本と数えられない程ある中で自分がどれだけ植えたら効果が出るかなんて事は火を見るより明らかに焼け石に水と感じます。しかしながら少しでも植えれば効果はゼロではありませんから慌てず欲張らず徐々に周辺環境を感じながら続けていけたらと思います。
※追記
画像もなくつらつらと書いた長文日誌にもかかわらず多くの関心を寄せていただきありがとうございます。もう少し分かりやすいように当地の現在と1990年頃の地図を添付しました。左が30年前、円の半径はおよそ1㎞です。私の巣箱は右図の森と畑区画の境目にあり正面に畑、背側に森となっています。
昔の衛星写真はGoogleMapではなく国土地理院(文末にリンクを置きました)の地図から簡単に確認できます。
昔はどうだったとか開発前の記憶をたどったりするのに面白いのでぜひ皆さん一度確認してみて下さい。
https://maps.gsi.go.jp/
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おがおが
愛知県
2019の秋に待ち箱開始し、 2020年4月にミツバチ達がやってきてくれ養蜂生活がスタートしました。 2021年9月までは横浜から実家の愛知へ往復していました...
Michaelさん
いきなりの多群飼育は地域の蜜源に対して適切にできないと良からぬ争いを招くばかりで周りの状況を良くわかっていない初心者にとってかなり難しいと感じました。
幸い自分の場合は単群飼育から始められたので目の前の巣箱の事に集中し巣箱周りの管理から学べました。いきなり多群飼育していたらめくるめく起こる事にアタフタしてしまい何が起こっているかも分からず途方に暮れてしまったかもしれません。
冬の盗蜂は近場から来る。まさにその通りだと感じました。おそらく蜜源探しが億劫というか他群が見つかればリスクがあっても乗り込んでしまうのかと。
2023/1/9 08:56
yamada kakasiさん
野良ミツバチというのは自分でも気に入って使っていますv
いくら自分の巣箱に入ったとしてもそれは自然の一部のままだし森の中の群れだけを自然群という呼び方は自分も違和感がありました。
近いところで野良ネコというのが居ますが人の住む近くにずっと居ついているものの飼われている訳ではないので、森にいるミツバチもこれに近いと思い野良ミツバチと呼ぶようになりました。
多群管理を地域で考えているのは自身の飼育群の元となった母親女王の群れや姉妹の群れ、それと逃居してしまった群れが少なからず地域には居るはずなのでそういった群れも自分の群れも蜜源共有し相互作用しながら生きていると考えたためです。 平等に考えないと自分の群れが全滅した際に再びやってきてくれる事が難しくなると考えたためです。
実際に、2021年の4月は自群から分蜂がありましたが全て野に放ちました。おそらく3群程は自群から野良ミツバチとして野に帰りそして翌2022年の春、多くの分蜂群が私の巣箱に帰ってきてくれました。2022年春は2月に全群全滅していたので帰ってきてくれたと思いありがたく感じました。こういった経緯もあり自然に暮らす野良ミツバチも巣箱に居るミツバチも全て地域のミツバチの一部だと捉えて考えるようになりました。
蜜源については当地はどんぐりの木が多く偏っているように感じています。何を植えたら良いかは今の所よくわかりませんが有力蜜源樹(トチノキ、シナノキ、ユリノキ)をまずは植えてみるというのを準備しています。夏はビービーツリーに頼ることになると思いますから種・苗準備は進めています。
2023/1/9 18:14
カズマルさん
ご参考いただきありがとうございました。
周辺環境について失われてしまった森はもう戻せませんがいろいろと感じながら進めていけたらと思います。
こちらこそ宜しくお願い致します。
2023/1/10 13:05
はっちゃんさっちゃんさん
正解を見つけるのは本当に難しいと感じます。地域性や調査の方法・人それぞれが感じる主観性など含め全ての事は曖昧で確実にそうだと言える事はほとんどない気がします。
大事なところは狭い範囲に多群を押し込むとどうなるか見えない背景があるのを感じながら進めるという事かなと思い始めています。
単群飼育でこのような感覚は必ずしも必要ではないと感じますが4,5群程度から周辺の野良ミツバチへの影響があるような感触はあります。これは自群の状況や当サイト含めネットでヒットする情報でそのように感じました。
西洋ミツバチについては集蜜能力が高いことと蜜源の畑をそれこそ農家のように栽培しているため同じように考える事は難しいと思います。そもそも養蜂家が大規模に給餌したりしない限り成立しないものとも思います。飼育の技術確立・浸透率のレベルが段違いと考えています。
2023/1/10 13:39
ミツバチ研究所さん
コメントありがとうございます。
コメントいただけたことで十分に参考になります。
置いてみないと分からない、年差が結構あったりそういう事も予想していますが経験不足で不安になることもあります。長年経験されている方からもそのような意見を聞く事ができればそういう心構えができる。それだけでも十分価値あるコメントを頂けたと感じます。
ニホンミツバチは確かに行動半径小さいと感じます、当地域は冬は暖かくも風が吹く日が多いので近距離で集蜜できると楽なのか?とも考えたりします。
2023/1/15 22:42
ミツバチ研究所さん
はい、ありがとうございます。気を付けます。
2023/1/15 23:15
おがおが
愛知県
2019の秋に待ち箱開始し、 2020年4月にミツバチ達がやってきてくれ養蜂生活がスタートしました。 2021年9月までは横浜から実家の愛知へ往復していました...
おがおが
愛知県
2019の秋に待ち箱開始し、 2020年4月にミツバチ達がやってきてくれ養蜂生活がスタートしました。 2021年9月までは横浜から実家の愛知へ往復していました...
おがおが
愛知県
2019の秋に待ち箱開始し、 2020年4月にミツバチ達がやってきてくれ養蜂生活がスタートしました。 2021年9月までは横浜から実家の愛知へ往復していました...
おがおが
愛知県
2019の秋に待ち箱開始し、 2020年4月にミツバチ達がやってきてくれ養蜂生活がスタートしました。 2021年9月までは横浜から実家の愛知へ往復していました...
おがおが
愛知県
2019の秋に待ち箱開始し、 2020年4月にミツバチ達がやってきてくれ養蜂生活がスタートしました。 2021年9月までは横浜から実家の愛知へ往復していました...
おがおが
愛知県
2019の秋に待ち箱開始し、 2020年4月にミツバチ達がやってきてくれ養蜂生活がスタートしました。 2021年9月までは横浜から実家の愛知へ往復していました...
多頭飼育は百害あって一利なしと言う事ですね(^^;;
私も冬季の盗蜜はリスクの高い遠方から来ないと思います。
2023/1/9 00:39
おがおがさん こんにちは
おがおがさんの一文の全体や文脈でなく、局所的に感じたことを書き連ねることをお許しください。
①「野良ミツバチ(あるいは野良群)」を新鮮に感じました。よく「自然群」または「野生群」との記述をみますが、飼育管理下にない場所で営巣してことを以って、自然群と呼称することに、少し違和感がありました。わたしは、人から「自然群と飼育群はどう判別するの?」と聞かれ、大いにに困った経験があります。自然度が高い地域は別にしても、人家にちかい里地里山は「野良ミツバチ」は現状に近い表現かと思いました。おがおがさんの意図する表現とは異なるかも知れませんが。
➁多群飼育、多群管理を、自己の飼育場あるいは、自己の管理地内での多群飼育、多群管理でなく、その地域全体、ゾーンで考えるという発想も新鮮です。わたしの思い過ごしや間違いかも知れませんが、私も含めてたいていの方は身近な所から飼育をこころざし、曲折を経て、蜜源や生態、そのご地域や環境全般に目が行くように感じています。
③今ある里地里山の一部分または全体を皆伐して、蜜源植物だけを植えるのなく、できるだけその地域の在来種や、その他の蜜源とならない植物も残して自然な形に(何が自然な形か難しいところですが)ならないものかと考えいます。でも実際は、畑の周辺に、これが蜜源植物として良いと皆さんがいわれるものを、無分別に植えています。言うは易く行うは難しです。(>_<)
2023/1/9 16:04
おがおがさん、こんにちは。
大変有意義な日誌、勉強になります。私の感覚だと、狭い庭に10箱並べる事を多群飼育と思い込みがちですが、30メートル間隔で10群飼育するのも同じ(前者よりマシですが)だと感じます。
2年前に私がこの地に引っ越してくる時、引っ越しに先駆けて2年間の調査を経て、ミツバチが絶滅している事を確信し、20キロ離れたそれまでの拠点から2群移入しました。ご破産からスタートする事ができたと考えていましたが、1年前から全ての群にアカリンダニが出て、絶滅したと思い込んでいたこの地に、まだ寄生群が生き延びていた事を知りました。(持ち込んだ群が感染していた可能性もゼロではないけど)
拠点以外に蜂場として置かせてもらっているところが20キロ圏内で8ヶ所あり、調査目的でどの群からも採蜜しませんが、地域の環境と蜂の生育を確定判断することは本当に困難です。自分の勝手な思い込みと浅はかな分析では、メカニズムを明らかにすることは無理であると痛感しています。
ひとつだけ感じることは、分蜂で野に旅立つ群のほとんどが自然淘汰されて生き延びてはいないのではないかと言うことです。したがって、捕獲して巣箱で強引に生かすことは可能ですし、給餌すれば越冬させることもできますが、それは何かが間違っていると私は思うんです。
セイヨウミツバチはそれに比べて持続させることができていますよね。産業として成り立っています。これには驚きを隠せません。ものすごくタフなのでしょうか?それに比べてニホンミツバチはあまりにも脆弱で儚い印象です。
コロナの影響で自宅で待ち箱を設置して趣味の養蜂がブームですが、このような流れがある結果を出すのは10年後くらいになるような気がします。
2023/1/10 13:16
蜂場の蜜源について、参考にならなとは思いますが当方での事
置いてみないと分からないです、年により少しずつ変化して、採れなかったところが流蜜が良くなったり、色々です、安定流蜜になればと思い、植樹はしています。
日本ミツバチの行動半径は少し短いような気がしています。
2023/1/15 21:44
おがおがさん
風が強い所は、絶対避けてください。プラスの事は一つもありません。
2023/1/15 23:02
おがおがさん
こんにちは。
蜂場の周辺環境について調べることは大切な事ですねぇ。
先月参加したトウヨウミツバチ協会が進めている「養蜂GAP」のチェックリスト(草案)の冒頭にも、自群れの周辺環境を地図上で確認して、蜜源植物等の状況を確認する項目があります。(物臭なためまだ冒頭部分しか見ていません。)
日誌を見させて頂き、改めて周辺環境の大切さを思いました。
また、分蜂した母親群の移動先は2キロ圏外になるのかどうかと言う子事も気になりました。
いろいろな気付きを与えてくれて、ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
2023/1/10 12:28
いつも、みなさんの、お知恵を拝借させていただいています。感謝感激です。(^^)/~~~ 新たな事実や発見を取り入れ、データや経験や勘とすり合わせながら、良い方向...
はっちゃんさっちゃん
千葉県
初めまして。名前の最後に「さん」はいりません。打つのが大変だから「はっちゃんさっちゃん」でお願いします。6年目の初心者ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
ミツバチ研究所
熊本県
今更聞けないような事を、初心に帰り相談させていただきたいと思っています。 体と相談しながら無理なく、質の良いミツバチの飼育を目指したい。 2024年春はダニが多...
ミツバチ研究所
熊本県
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スタートは養蜂をしたくて始めた訳ではありません。 どちらかと言うと自宅へ毎年何回も分蜂して来るので仕方が無く養蜂を始めました。 敷地内古墳から自然巣からの分蜂入...
カズマル
埼玉県
2015年頃から日本ミツバチに興味を持ち、待ち受け箱を山梨(小淵沢)に設置してましたが、全く出会うことが出来ませんでした。 2022年3月から埼玉県所沢市に待ち...