投稿日:5/1 08:32, 閲覧 552
3月12日に、JST(科学技術振興機構)が運営するJxiv(ジェイカイブ)で、ニホンミツバチの生態に関する私たちの研究成果の一部がプレプリントで公開されています。私の母と何年にもわたり行ってきた共同研究の成果でもあります。
以前こちらに情報を上げたと思っていたのですが、うまくアップできておらず、再度アップ致します。
2011年から継続してきた本研究により、新たに明らかになったニホンミツバチの興味深い生態の報告です。ニホンミツバチの飼育者の間で長らく「汚物」などと呼ばれてきた、秋の巣門周囲に見られる付着物質についての新知見を明らかにした研究です。ご興味のある方は、以下のURLから閲覧することができます。なお、添付写真は、オオスズメバチの襲撃に逃げまどう働き蜂たちと、その後働き蜂が巣箱から急いで飛んでいき、ガ類の幼虫を捕獲し大顎に咥えて戻ってきたところを撮影したものです。
研究テーマ「天敵オオスズメバチの攻撃に対してのみ行うニホンミツバチの塗り付け行動:緊急時に塗り付け物質として利用する多様な生物の新発見」
Jxivの掲載先URL:https://jxiv.jst.go.jp/index.php/jxiv/preprint/view/630
※連休に入ったためまだ更新されていませんが、最新版(第3版)のプレプリントが間もなく公開予定です。
ニホンミツバチのこの巣の入口周囲への物質の塗り付け行動に関する研究については2011年から先駆的に行っており、ニホンミツバチが巣の出入り口に植物を塗り付けることや、その際に特徴的な緊急ダンスを巣の入口で踊ることをを明らかにしました。なお、これらの行動はオオスズメバチに対してのみ行われることが実験より明らかになっています。これらの研究は、2016年と2017年にそれぞれ関連論文を発表しています(2016:https://www.archives-ouvertes.fr/hal-01532416/document, 2017:https://doi.org/10.1111/ens.12285)。
また、藤原ナチュラルヒストリー振興財団(公益財団法人)が募集している研究助成に2020年に応募して採択され、2021年から研究していた成果の一部(以下研究成果報告書)も上記プレプリントに含まれています。
藤原ナチュラルヒストリー財団成果報告書:https://fujiwara-nh.or.jp/archives/2022/0606_134653.php
私たちの2011年からの継続的なニホンミツバチの行動調査・塗り付け物質の分析から、秋にオオスズメバチの攻撃から巣を防衛するために、働き蜂が野外で”昆虫採集”や”キノコ狩り”を行い、それらを持ち帰って巣箱に塗り付ける行動が初めて明らかになりました。
また、2021年に環境の異なる3つの調査地点で飼育している群れから採取した塗り付け物質のDNA分析を行いました。分析の結果、植物類30科39属、昆虫類25科31属、菌類28科38属、哺乳類11科15属、鳥類11科13属が検出され、また2015年以降これまで各地で行ってきた分析からも、藻類、蘚苔類、魚類、両生類、甲殻類等を含む、多種多様な生物の利用が明らかになりました。
このように、ニホンミツバチが多様な生物を塗り付け物質として利用していることを、働き蜂の長期的な行動調査、塗り付け物質の観察、複数の群れを対象としたDNA分析等の複数の手法を用いて初めて発見し証明しました。また、長期にわたる調査と観察により、DNA分析のみからでは把握することができない、実際に生物がどのような状態で採集され、どのような過程を経て巣箱に塗り付けられたのかを証明しました。
国の指定を受けている希少種も複数種、この物質中から検出されており、私たちの研究成果は、これまでにない全く新しい形で、ニホンミツバチと地域の自然や生態系との結びつきを示していくことができる、とても興味深いものであると考えています。詳細は本稿をご覧ください。
※プレプリントは、今後、論文誌への掲載時に、内容の一部が修正される可能性があります。
forestgardianbeeさん、おはようございます!
素晴らしい研究成果、これまで脱糞だなんて日本みつばちに失礼な書きぶり、改めなければと思います。
ありがとうございます!!
5/1 09:37
私も蜜蜂の糞は黄色っぽくて液体に近い物なので、オオスズメバチ対抗手段として塗り付けされる粒々の物は糞ではない。あの時期になると盛んにレタス苗その他の植物を齧る様子が見られるので、その採取した物を唾液と混ぜて塗っているんだな~とは思っていました。でも、藻や肉類(魚を含む)まで集めているとは・・・。
飼育を始めた頃には、内検時にその塗り付けてあった物をわざわざ剥がし取っていた事が有ります。だって粒々を擦って落としてやると、沢山たかっていた蜜蜂達が、まるで掃除の必要が無くなったかのように居なくなるものですから、私としては掃除を手伝ってやった、位に思ってたんです。(/ω\)
5/1 10:16
forestgardianbeeさん こんにちは。
ミツバチが、巣門付近に塗りたくって、大スズメを防御する行動については、どこかの文献で存じていました。
その内容物は、草木を嚙み砕いて、自分の分泌物と混合して塗るのだと読みましたが、今回の情報で、草木だけでなく、キノコ類や、昆虫・哺乳類や魚類にまで至るとは、、、驚きです。
その目的も、大スズメの着けたマーキングフェロモンを中和する、または、臭い消しの意味だけだと読んでいましたが、もしかしたら、忌避効果もあるかも知れないのですね(@ ̄□ ̄@;)!!
正に、自然界の優れた仕組みを目の当たりにする気がしました。
私が知り得た情報では、草木を原料として、大顎腺からのフェロモンを混ぜた物質を塗りたくっていると理解していました。
今回の実験では、塗りたくる物質の中に、ミツバチ自身が出す、分泌物等の物質は検出されなかったのですか? それとも、素のままの材料自身の成分で、大スズメを寄せ付けないという方法なのでしょうか?
5/1 11:06
ハッチ@宮崎さん
おはようございます、有難うございます!本当に興味深い行動ですよね。汚物と呼ばれるものの中には、とてつもなく広いワンダーワールドがあったことが分かり、私もとても興奮しました。
5/1 11:19
おっとりさん
こんにちは、こちらの巣箱もかなりの量塗り付けられていますね!オオスズメバチ、たくさん来ていたのでしょうか? 実はこの塗り付け行動は、オオスズメバチに対してのみ行われる行動です。これまでの私たちの研究・実験から、キイロスズメバチやコガタスズメバチなど集団攻撃を行わないスズメバチに対してはこれらの行動は行われないことが明らかになっています。本当に面白いですよね!
5/1 11:26
forestgardianbeeさん
私の蜂場は千葉県の落葉樹の森の中です。
敷地は750坪です。
昨年の夏は3群養蜂していました。
キイロスズメバチも来ていましたが、それは無視していました。
オオスズメバチが来るようになって3群とも同様の粒粒が見られました。
弱群の1群にペッタンコを使いましたが原因は不明で消滅しました。
2群はオオスズメバチに入られない様にしただけであとは何もしていません。
越冬して現在に至ります。
5/1 11:35
おっとりさん
千葉県ですか、自然豊かな場所で養蜂されていますね!ニホンミツバチのオオスズメバチに対する反応は、他のスズメバチとは比べ物にならないですよね。他のスズメバチに対しては、尻を振ったりして威嚇をしますが、オオスズメバチが来ると、ニホンミツバチは大急ぎで巣の中に逃げ込んで、そのあとで様々な生物を持ってきます。これはとても興味深い行動です。
5/1 12:46
テン&シマさん
こんにちは、そうなんです!私は2011年から大学院で岩手県の里山をフィールドで2年間、早春~晩秋までほぼ泊まり込んでミツバチと暮らしながら研究をしていたのですが、オオスズメバチが来た時のニホンミツバチの行動をよくよく観察すると、植物の葉っぱや芽をもってくる個体が確認されました。汚物様物質のことは岡田先生の本を読んで知っていましたが、その後誰もこの物質について詳しい研究をした人はいませんでした。これはもしやこれまでに発表されていない新発見なのでは!?と大興奮でした。その後、植物の利用と、植物を集めるための緊急的なダンスを踊ること、の2つの研究を論文にして、何年もデータをとって検証し、今回の発表となりました。確かに、汚物様物質とはよくいったもので、一見汚く見えてしまいますよね。でも実際は生態系とニホンミツバチのつながりを理解することができる、ワンダーランドが広がっていると思っています。
5/1 12:53
初心者おじさんさん
ツユクサですね!
この青い花弁をかじって塗っていたので、巣箱の入り口に青いのがたくさんついていました。
菊の仲間やタデの仲間も、よく塗り付けます。
5/1 20:48
初心者おじさんさん
そうなんですね!2種類あるツユクサの仲間の内1種類しか齧ったり集めたりしないとすると興味深いですね。
5/1 21:57
れりっしゅさん
こんばんは、今回、様々な生物のDNAについて調べ、昆虫類のDNAも対象に調べたのですが、ミツバチのDNAは検出されませんでした。基本的に植物でも昆虫でも大顎に咥えて持ち帰り、巣に塗り付けるため、入っていてもおかしくないのですけどね。塗り付けるときも唾液などは混ざっているのではないかと思います。
5/1 23:42
ハニーエイトマンさん
こんばんは、ご報告有難うございます。ツユクサ、他の場所でも齧っているのが確認されているのですね。場所や群れが異なっても同じ種類の植物を齧るのは興味深いです。
私たちの研究結果からも、県をまたいで環境が異なる飼育場所でとったサンプルから、同じ種(または科や属レベルで同じ)の植物や動物、昆虫の利用が確認されています。 また、面白いのは、例えば巣の周りや隣接する範囲(数10cmの範囲で巣箱に接するように)に生えている植物ではなく、数十メートル、数百メートル離れた場所にある植物なども、わざわざ齧り取って持ってくるということです。この天敵オオスズメバチの襲来時における緊急時の資源の探索と採集行動、巣への塗り付け行動という一連の流れは、とても面白いと考えており、研究を継続しています。ご興味がありましたら、プレプリントもご覧ください。
5/2 19:47
ハッチ@宮崎
宮崎県
昭和59年10月4日、人家の壁内に営巣していた日本みつばち群をラングストロス(巣枠入り)巣箱に収容して以来、飼育を継続しています。翌昭和60年の春からは生態比較...
おっとり
千葉県
ワバチが棲みたくなる洞をつくる。
おっとり
千葉県
ワバチが棲みたくなる洞をつくる。
テン&シマ
広島県
物心付いた頃、家には西洋ミツバチが居ました。 あれからウン十年が過ぎ、2014年の春、鶏友の待箱を置いて捕獲成功。 その後2017年6月には箱代などのお金を出し...
れりっしゅ
千葉県
南房総鴨川でティーハウスをやってます。初めての巣箱を2021年3月中旬から設置し、漸く3年経ったばかりの駆け出しです。専門用語も殆どわからず、兎に角試してみよう...
forestgardianbeeさん
つゆ草の葉っぱを齧って塗りつけてます
こちらはつゆ草しかなくそれを利用してます
つゆ草も繁殖力が強い 葉が細長いのと2種類あります
葉が広い方です 細いのは海外から入って来た様です
5/1 21:02
forestgardianbeeさん、貴重な研究情報の開示 ありがとうございます。
私も4年前にオオスズメバチ数匹による襲撃を受けた直後に、ニホンミツバチ達がせわしなく動き回るのを観ました。 巣箱の周りに生えているツユクサの葉には、外周部を齧っている個体を確認しました。(下の写真の赤丸部)
少し時間が経過した後の葉の状態が左下のはめ込み部ですが、ニホンミツバチが齧ったのは外周部のみで、その後もこのままでした。 … これは 多くの植物が害虫から身を守るために、葉脈間に虫(動物)が嫌う『シュウ酸カルシウムの結晶』を散りばめているため、それを嫌っていつのか?、はたまた集める消臭成分が外周部にしか存在しないのか? は、素人ではわかりません。
他で集めて齧ったものを含めてつくられた消臭剤が、しっかりと巣箱に塗り付けられました。 この時とは別に、消臭剤の色が 「白っぽい」、「黒っぽい」、「茶色っぽい」、「緑っぽい」ものがモザイク状に付けられたものを見たこともあり、色の違いは採ってきた植物の違いでは?と思いました。
ニホンミツバチがツユクサの葉の外周を齧っているナイスな写真が過去に尊敬する他のユーザーさん〔ロックさん〕がアップしてくださいました。
5/2 08:15
forestgardianbee
神奈川県
ミツバチを愛する皆様方、初めまして。私は、大学院卒業後、ミツバチや養蜂に関わる教育研究活動などを行っており、幼稚園生から大人まで、幅広い人にミツバチの魅力を広め...
forestgardianbee
神奈川県
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forestgardianbee
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神奈川県
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forestgardianbee
神奈川県
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神奈川県
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forestgardianbee
神奈川県
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ハニーエイトマン
埼玉県
3年間の待ち人来たらず期間を経て、2018年5月から ニホンミツバチとのお付き合いを始めました。 分蜂による自然界への回帰や飼育群の増加という経験もありましたが...
初心者おじさん
熊本県
昨年から自宅に沢山の探索蜂が来るので捕獲しようと昨年から準備を進め、令和4年度よりスタート、待ち箱21個設置しました、失敗、逃亡と色々ありましたが、今日までに1...
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