投稿日:10/10 14:26, 閲覧 370
ご無沙汰しております。各地でオオスズメバチの襲来の話題が飛び交っておりますね。
以前、こちらでお知らせさせていただいた、標記の研究について、最新のものが公開されております。最近本研究に関するお問い合わせを複数いただいておりましたので、こちらにもあらためてアップさせていただきます。
2011年から継続して実施してきた研究により、新たに明らかになったニホンミツバチの興味深い生態の報告です。ニホンミツバチの飼育者の間で長らく「汚物」などと呼ばれてきた、秋の巣門周囲に見られる付着物質についての新知見を明らかにしました。これまで十数年にわたり研究に取り組み、天敵オオスズメバチの襲撃という緊急時に際して、ニホンミツバチが多様な生物を塗り付け物質として利用していることを、働き蜂の行動調査、塗り付け物質の観察、DNA分析等の複数の手法を用いて初めて明らかにしました。ご興味のある方は、以下のURLから閲覧することができます。
JxivのURLをクリックしていただいた先に抄録(要約)が載っており、これを読んでいただけると研究の概要が分かりやすいかもしれません。
研究テーマ「天敵オオスズメバチの攻撃に対してのみ行うニホンミツバチの塗り付け行動:緊急時に塗り付け物質として利用する多様な生物の新発見」
■Jxiv(科学技術振興機構(JST))の研究掲載先URL
:https://jxiv.jst.go.jp/index.php/jxiv/preprint/view/630
また、同じ研究テーマで、2020年に藤原ナチュラルヒストリー振興財団(公益財団法人)が募集している学術研究助成に応募して採択され、2021年に研究した成果の一部(以下研究成果報告書)も公開されており、内容の一部が上記プレプリントに含まれています。こちらは周囲の環境が異なる複数地域で複数のニホンミツバチの飼育群から塗り付け物質を採取し、DNA分析で含まれる生物相について検証しています。
■藤原ナチュラルヒストリー財団研究報告書URL(下にスクロールしていただけるとPDFで内容をみることができます)
:https://fujiwara-nh.or.jp/archives/2022/0606_134653.php#!
また、これまでニホンミツバチの巣の入口周囲への塗り付け行動に関する研究を、2011年から先駆的に行う中で、ニホンミツバチがオオスズメバチに対してのみ、巣の出入り口に植物を塗り付けることや、その際に働き蜂が特徴的な「緊急ダンス」を巣の入口で踊ることを明らかにしてきました。なお、これらの行動が、キイロスズメバチやコガタスズメバチに対しては行われず、オオスズメバチに対してのみ行われることは、実験により明らかにしています。
2016年と2017年には、それぞれこのニホンミツバチの特徴的な行動に関連する関連論文を発表しています。以前アップさせていただいた以下の関連研究のURLがなぜかアクセスできなくなっていましたので、こちらに再アップさせていただきます。玉川大学名誉教授の佐々木先生と共同研究させていただいたものです。
■オオスズメバチに対してのみ行われる植物の採集と塗り付け行動(2016年):https://link.springer.com/article/10.1007/s13592-016-0432-z
■ニホンミツバチの緊急ダンスの発見と検証(2017年):https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/ens.12285
なお、添付のオオスズメバチの写真は、樹液を吸っているところです。樹液を吸っているオオスズメバチも、樹液の出る場所を縄張りのように認識して、向かってくる場合がありますので、お気を付けください。
forestgardianbee
神奈川県
ミツバチを愛する皆様方、初めまして。私は、大学院卒業後、ミツバチや養蜂に関わる教育研究活動などを行っており、幼稚園生から大人まで、幅広い人にミツバチの魅力を広め...
forestgardianbee
神奈川県
ミツバチを愛する皆様方、初めまして。私は、大学院卒業後、ミツバチや養蜂に関わる教育研究活動などを行っており、幼稚園生から大人まで、幅広い人にミツバチの魅力を広め...
れりっしゅさん こんばんは、そうなんですオオスズメバチから必死に巣を守ろうとしている証拠でもあるんですよね。黒い点々がついていたら、もう襲来は始まっていると考えた方がいいと思います。 個人的には、オオスズメバチ対策は、オオスズメバチの襲来が始まる前から行うのが良いと思っています。巣箱のつくり(巣穴が大きいなど)や、巣箱を見に行く頻度によっては、対策が間に合わずに全滅させられる場合があるためです。
10/11 10:39
forestgardianbee
神奈川県
ミツバチを愛する皆様方、初めまして。私は、大学院卒業後、ミツバチや養蜂に関わる教育研究活動などを行っており、幼稚園生から大人まで、幅広い人にミツバチの魅力を広め...
caiさん 有難うございます。樹液にカブトムシやクワガタがきていると、スズメバチの仲間は迷惑そうにしていますね。特に1匹とかだとなかなか追い払えないのかもしれません。意外とコバエなどスズメバチより小さい昆虫は、スズメバチなど気にしないで横でたくさん樹液を吸っています。
10/11 10:41
forestgardianbee
神奈川県
ミツバチを愛する皆様方、初めまして。私は、大学院卒業後、ミツバチや養蜂に関わる教育研究活動などを行っており、幼稚園生から大人まで、幅広い人にミツバチの魅力を広め...
tototoさん ご覧いただき有難うございます。塗り付け物質、巣箱にたくさんついていますね。オオスズメバチもたくさんきているのでしょうか。
逃去と書かれていますが、ネットをしていたのに、侵入してニホンミツバチが逃げたということでしょうか?
10/11 10:43
forestgardianbee
神奈川県
ミツバチを愛する皆様方、初めまして。私は、大学院卒業後、ミツバチや養蜂に関わる教育研究活動などを行っており、幼稚園生から大人まで、幅広い人にミツバチの魅力を広め...
caiさん そうなんですね、私が見たところは確かにちょっと人工的な環境だったので、自然下ではそうなっているのかもしれないですね。 そうですね、共通の種を使っている様子も見られますが、巣箱の設置場所によっても変わる部分もあります。とにかくオオスズメバチの襲来はニホンミツバチたちにとっても緊急事態です。例えば花の蜜や花粉を集めるときは、ニホンミツバチだと平均半径1.5㎞くらいの範囲で採餌します。上記の研究で様々な検証を行った結果、塗り付け物質は、花の蜜や花粉よりもずっと狭い範囲から短時間で持ち帰ってくることが示されています。
10/11 13:21
forestgardianbee
神奈川県
ミツバチを愛する皆様方、初めまして。私は、大学院卒業後、ミツバチや養蜂に関わる教育研究活動などを行っており、幼稚園生から大人まで、幅広い人にミツバチの魅力を広め...
tototoさん とても立派な巣ですね!一番下の方まで巣が伸びているんですか? しっかり編み込みのあるネットでないと破かれてしまいますよね。前一度オオスズメバチの大顎に噛まれたことがありますが、かなり痛かったです汗。
10/11 13:53
forestgardianbee
神奈川県
ミツバチを愛する皆様方、初めまして。私は、大学院卒業後、ミツバチや養蜂に関わる教育研究活動などを行っており、幼稚園生から大人まで、幅広い人にミツバチの魅力を広め...
ハッチ@宮崎さん ご覧いただき有難うございます! けっこう追いかけてきますよね。そしてあのバイクのような重低音・・・。 縄張りと認識すると、守ろうと向かってきますよね。
10/14 00:49
forestgardianbeeさん、こんばんは!
忌避物質なりが合成され飼育下日本みつばちがオオスズメバチから守れれば•••なんて考えてしまいます。
蜂好き小学生とニレ樹液を餌場としているオオスズメバチを観察した際、あまりに近付き過ぎてオオスズメバチから追い掛けられました。
グラウンド端から真ん中辺りまで振り払うために走って逃げなければなりませんでした。危ない 危ない!!
10/13 11:12
forestgardianbeeさん こんにちは。
超多忙な中、困窮する大スズメ対策について、最新情報をご提示くださって、有難うございました。
ミツバチが塗付けている黒い粒粒の正体を、解明してくださったお陰で、ミツバチが極身近な植物や生物を見極めて、大スズメバチをガードしている事が確かだと、よく解りました。
巣門付近が汚れてしまったと嘆くのではなく、ミツバチが必死で大スズメに向かい合い、自巣を守ろうとしている表れだと応援する事が出来ます。
あの塗付け行動が巣門に出たら、大スズメバチが偵察に来ていると、私達も警戒して対策を講じる事の指標にもなりますね。
これからも、色々な情報を学ばせてください୧(˃◡˂)୨୧(˃◡˂)୨
10/11 00:46
有り難う御座居ます。内容は休みに読みます。論文は根拠が明示してあるので読むのが楽です。w
オオスズメバチは自ら樹液源を囓って拡大もできますので、クワガタ採りで出会す度、子供心に仕方ねぇなと思ってました。特に近くにクワガタが居る時は気が立ってる場合が多く、カチカチブンブンやられ続けてました。きっと、一悶着あって追っ払った後なんだろうなぁと、、、思いつつ石になってました。
10/10 23:43
forestgardianbeeさん,
私が折角囓ったのに、、あっち行けって感じです。
TVで観ただけですが、クワガタ・カブトが夜行性になったのはオオスズメバチに負けたからであり、オオスズメバチは必殺の足払いでいとも簡単にカブトムシを落っことしてました。寧ろカブトムシ・クワガタは夜行性でもなく、オオスズメバチの来ない餌場なら日中も離れない、、、と新しい学説として紹介されてました。
論文拝読させて戴いた単なる感想ですが、、、匂いが強けりゃ手当たり次第って感じですね。そこに一貫性がある様にも思えず、まるで中世に発達した体臭消しの香水って感じです。成分はなんでも良い、兎に角、匂うものって感じで。
10/11 12:28
ハッチ@宮崎
宮崎県
昭和59年10月4日、人家の壁内に営巣していた日本みつばち群をラングストロス(巣枠入り)巣箱に収容して以来、飼育を継続しています。翌昭和60年の春からは生態比較...
cai
神奈川県
ニホンミツバチの野生状態観察が主目的の飼育です。分蜂(繁殖)を優先し、古巣除去副次としての採蜜に限り、蜂蜜の販売は一切行いません。自己による消費及び、危険性を説...
cai
神奈川県
ニホンミツバチの野生状態観察が主目的の飼育です。分蜂(繁殖)を優先し、古巣除去副次としての採蜜に限り、蜂蜜の販売は一切行いません。自己による消費及び、危険性を説...
tototo
鳥取県
tototo
鳥取県
れりっしゅ
千葉県
南房総鴨川でティーハウスをやってます。初めての巣箱を2021年3月中旬から設置し、漸く3年経ったばかりの駆け出しです。専門用語も殆どわからず、兎に角試してみよう...